「ダサい」は、最高。ーー鷹の爪親方が語る、不純物なしの“遊び場”

「ダサい」は、最高。――鷹の爪親方が語る、不純物なしの“遊び場”

「かっこいいのは当たり前。でも、そこに『ダサさ』があるからこそ、魅力的なんです。」 そう語るのは、アパレルブランド「PUNK DRUNKERS(パンクドランカーズ)」を率いる親方。 独創 的なグラフィックと、どこかシニカルでユーモア溢れる世界観で熱狂的なファンを持つ彼が、今、 仕事という枠を飛び越えて純粋に「沼」にハマっているもの。それがホットウィールだ。 洋服やソフビのデザインを長年やってきた親方。そんな彼がなぜ、あえて「門外漢」であるミニ カーの世界に、子供のような無邪気さで飛び込んだのか。 今回は、自身のクリエイティビティの原点とも重なるホットウィールの魅力、そして彼の「無駄な時 間を楽しむ人生」について、たっぷりと語ってもらった。

はじまりは、海外のスーパーの「あの棚」

ミニカー自体は、子供の頃から好きでしたが、ホットウィールの1台目は高校生の時に、海外旅行 で購入しました。ウォルマートとかターゲットに行くと、ホットウィールがバーン!って並んでいて。 あの、日本ではありえない「雑な量」と「色使い」を見て「あ、これいいな」って思いました。 

 

憧れの「キュッとなった」日本車

アメ車ももちろん好きだけど、やっぱり日本車が好きなんです。 アメリカの会社(マテル)が出してるホットウィールの中に日本車があるのが、なんか好きで。

特に*1ジャパン・ヒストリックスシリーズとか、*2カードのイラストがめちゃくちゃカッコいいですよ ね。あの絵がついた頃から、みんなの熱がさらに上がった気がします。 当初、*3ブルーバードとか*4ハコスカ*5ケンメリあたりを「いいな」と思い探してました。 

ケンメリとか、思いっきりアメ車に影響されたデザインが日本サイズで「キュッ」となってますよね。 あの独特な凝縮感、もう大好物です。小学校の頃に見て「カッコいいな」って思ってた記憶が、大 人になってもずっと残ってるんですよね。それが手のひらサイズになって、しかもアメリカナイズさ れた色で塗られてる。その「感じ」がたまらないんです

*1ジャパン・ヒストリックス
大人向けプレミアムラインの「カーカルチャー」シリーズにおける日本旧車セット。2016年に第一弾が登場した際、当時のJDM(日本国内市場仕様)ブームと相まって世界中で爆発的なヒットを記録。

*2カード
パッケージの背面の厚紙のこと。車種ごとに異なる美麗なイラストが描かれており、このイラスト自体をコレクションの対象とするファンも多い。

*3ブルーバード
日産が製造していた名車。ホットウィールでは特に「510(ゴーイチマル)」という型式が非常に人気で、カスタムカー界隈でもアイコン的な存在。

*4ハコスカ
1969年に登場した3代目スカイラインの愛称。箱のような角ばったボディが特徴。日本の旧車文化を象徴する、世界的に人気のある一台。

*5ケンメリ
1972年に登場した4代目スカイラインの愛称。「ケンとメリーのスカイライン」という広告キャンペーンが名前の由来。アメ車を意識した流麗なフォルムが特徴。


プロの「ソフビ」と、趣味の「ミニカー」

もともと趣味で、スニーカーやソフビをコレクションしていましたが、 ソフビに関しては自分でも制作するようになり、もちろんほとんどが楽しいですが、仕事としての 部分もでてきてしまっています。
だから自分にとって全く関係ない「ただ好きなもの」としてまた再びハマったのがミニカーでした。 「純粋に遊びたい」っていう衝動が、僕をこの沼に引き戻したんです。

完璧じゃないから愛せる「ダサさ」の魅力

ホットウィールの良さって、いい意味での「おもちゃ感」だと思うんです。 実車に忠実な精密モデルもいいけど、ホットウィールはどこかデフォルメされてる。タイヤが異常 にデカかったり、色が派手すぎたり。その「やりすぎ感」が、僕の感覚からするとちょっと「ダサい」 んだけど、そこが最高にクールなんですよね。

「これ誰が買うんだよ!」って突っ込みたくなるような、ヘンテコなオリジナルデザインの車(*1ド リームカー)もたくさんありますよね。トイレの形をした車とか、サメの形をした車とか。そんな車を 大の大人が真面目に会議して作ってると思うと、最高にパンク。そういう「遊び心」に、僕は共感し ます。

僕が自由に1台作れるなら......。アイツ(PDSのキャラ)をどう車にするか、めちゃくちゃ練り上げ たい。世界中のコレクターが「なんだこれ!」って二度見するような、僕たちらしいヤバイ1台をい つか形にしたいですね。

*1ドリームカー 実在する車ではなく、マテルのデザイナーが独自に考案した架空の車(オリジナルデザイン カー)。食べ物や動物をモチーフにしたものなど、ホットウィールらしい遊び心の象徴。


剥がせないパッケージと、ズルい造形

ホットウィールって、やっぱりパッケージがめちゃくちゃカッコいい!他社のミニカーみたいに箱に 戻せればいいけど、あの*1ブリスターは一度開けたら終わり。だから、どうしても開けられない (笑)。遊びたくてたまらない時は、保存用と遊ぶ用で2台買っちゃいます。

「これ造形がズルいな!」って思うのもたくさんある。最近だと、*2モンスタートラックのシリーズ。 あのでっかいタイヤがドーンと付いてて、海外のイベントの空気感そのまま。 特にデロリアンのモンスタートラック版は探してるんだけど、なかなか見つからないんです。知っ てる車が「ありえない姿」になってるのを見ると、やっぱりワクワクしちゃう。

あと、さっきプレゼントして頂いたこのハコスカ......これ、マジで最高です。ボンネットが開くギミッ クとか、もうたまんない。こういう「本気」の造形を見せられると、作り手としても「やられた!」って 思うし、飾っておくだけでテンション上がるんですよね。

*1ブリスター
台紙の上に透明なプラスチックのカバーを被せて商品を固定する包装。ホットウィールは台紙のイラストもアートとして評価されており、開封せずにそのまま飾るコレクターも多い。

*2モンスタートラック
巨大なタイヤを装着し、障害物を踏み潰して走るアメリカで人気のモータースポーツ。ホットウィールでも人気シリーズの一つ。

 

宝探しは、近所のスーパーやコンビニで

最近は日本でも人気が出すぎて、昔みたいに簡単に買えるわけじゃないから「宝探し」の感覚。 たまたま寄ったコンビニで、ずっと探してた車種がポツンと残ってたりすると、 大人になっても興奮しちゃいます。

鷹の爪とホットウィールの共通点

自分のブランドを置いているヘッドショップ「鷹の爪」とホットウィールの共通点は、ポップだけど毒 があって、真面目にふざけてる感じ。そういう「遊び」の部分が、ブランドの核になってるところか なって思います。


時代に逆行して「モノ」で遊びたい

今はミニマリストとか、データで物を持つのが主流になっていますよね。 でも、そんな時代に超逆 行したい(笑)。「これ何に使うの?」って言われるような物をたくさん持って、眺めて、ニヤニヤす る。そういう「無駄な時間」こそが、僕の楽しみなんですから。

昨年のイベントでは、一般として参加させて頂きましたが、 今年の5月のイベント(幕張メッセ)は、【鷹の爪】としてホットウィールとのコラボアイテムを販売す るので、楽しみにしていてください!

僕もイベントで会えるのを楽しみにしています。


【親方の私物・お気に入り3台】

ハコスカ GT-R(コンベンションモデル) 「今日もらったばかりだけど、もう宝物(笑)。このキュッとした旧車のカッコよさは異常。」

Supremeコラボモデル 「海外の友達からもらった1台。数が少なくてなかなか出てこないんだけど、ミニカー好きを公言してるとこういう縁が回ってくるんですよね。」

デロリアン(モンスタートラック版) 「絶賛探し中。あのデカいホイールを履かせちゃうセンスが、最高にズルくて好き。」

<親方プロフィール>
親方 OYAKATA
1971年生。空手3段、左きき。
1998年、和+洋+遊、UNCOOL IS COOLが、
基本コンセプトのブランド「PUNK DRUNKERS」設立。
アパレルの枠を超えて多ジャンルにデザインを手掛ける。
2003年より現在まで展覧会(個展)やライブペインティングも頻繁に開催。
また近年、【あいつ】という気になるキャラクターを様々なフィールドで展開中。

 

HPー
PUNK DRUNKERS
https://www.punk-d.com/

SNSー
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<Instagram>
https://www.instagram.com/punkdrunkers89/
https://www.instagram.com/takanotsume_store/

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